炭は、燃料や脱臭、調湿、水質改善 などたくさんの使いみちがあります。
炭にはミク口孔やマク口孔と呼ばれる、肉眼では見れないほどの小さな穴が無数に空いていて、その穴で臭いなどの分子をキャッチし除去します。
孔がたくさんあることにより炭の表面積は、1グラムあたり200~400平方メートルにもなります。
これだけの大きな表面積を持つということは、孔の数もその分、桁違いにあると言えます。
無数に空いている穴はそれぞれ大きさが違い、キャッチする分子の大きさもかわってきます。
孔が少ないと、当然キャッチできる分子も少なく、効果があまり期待できませんが、膨大にある孔のおかげで、たくさんの使いみちがあり、効果も長続きするのです。
例えば、炭に肥料などを吸わせて土に埋めると、ゆっくりと土に肥料を行き渡らせることもできますし、無数の穴に含まれる空気で土を活性化したりと、炭にはさまざまな利用方法があります。
炭の利用方法で一般的によく知られているのが、お部屋や冷蔵庫の中などの嫌なニオイをとる「脱臭効果」。
ニオイの元となる気体は分子からできており、この気体の分子もさまざまな大きさや種類があり、それらが混ざりあって空気中に浮遊して悪臭が生じます。
炭の吸着作用は、気体に対しても有効で、炭の表面にある膨大な数の孔が、嫌なニオイの元であるアンモニアなどの悪臭分子をたくさんキャッチし脱臭効果を発揮するのです。
使い方としては、ニオイをとりたい場所に容器などに入れて炭をそのまま置いていても効果はありますが、
空気の流れがある場所や、ファンなどで空気を動かすと更に脱臭の効果が高まります。
更に、使用した炭は加熱すると吸臭性が蘇るので再利用も可能です。
脱臭などで使い終わった炭は、土に埋めて土壌改良材としても使用出来るので、炭の効果を余すこと無く活用できます。
家屋などの木造建築は長年住んでいるとシロアリ等の害虫被害を受けないように、対策を立てることが大切です。
場合によっては薬品散布をして害虫駆除対策をする必要があります。
害虫駆除に効果がある薬品には人体に有害な化学薬剤が含まれているため、その家屋に住む人の中には頭痛・めまいなどの症状が現れる場合があります。
そこで最近では、新築やリフォームを行う際に、埋炭、敷炭を行う人が増えています。
シロアリは湿気が多く、カビが生えているようなジメジメとした場所を好むのですが、
建物の下に敷炭や埋炭をすると、湿気がなくなりシロアリなどの害虫を遠ざけることができるというわけです。
天然の素材なので人体への害もありませんし、炭の脱臭効果で嫌なニオイを吸着して空気を清浄してくれます。
効果は半永久的に持続するので、建物の寿命も伸びますし、大変経済的です。
古くからある神社やお寺などの木造建造物には、建物の下に大量の炭が埋炭されています。
昔の人は建物を建てる時に炭を埋めれば建物が長持ちして、害虫などの被害にあいにくくなるということを経験的に知っていたのかもしれません。
昔の日本の家屋は、高温多湿な風土に合わせて、風を取り入れ、家を傷める湿気を追い出すつくりをとっていましたが、近年の住宅は冷暖房の効きや電気代節約のため、密閉を重視した高気密の住宅が多くなりました。
エアコンなどで室内温度は一定に保たれ、年間通して快適に生活出来るようになりましたが、一方で高い気密性により住まいの湿気が多くなり、床下や押し入れなどは湿気を含んだ空気が溜まってしまうようになりました。
そのためカビやダニも繁殖しやすくなり、ダニの死骸やカビが原因で鼻炎や気管支喘息、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患を発症する人が増えているそうです。更には、湿気がたまることで、カビ、ダニの温床となり、家の痛みを促進してしまうというのです。
この湿気除去に調湿効果がある炭がとても役に立つのです。
室内に置き炭をしたり、床下に敷炭や埋炭をしたり、壁紙や炭シートを貼るなど湿気の溜まるポイントに炭を活用すると有効的に除湿ができます。
同時に炭の脱臭効果で室内のニオイをとり、吸着効果で室内のホコリや人体に有害な化学物質も吸着してくれます。
昔から使われてきた炭のパワーで人も住まいも健康に、心地よい環境になると、炭は現代でも人々の脚光を浴びています。